病院での看護助手の仕事と看護学生の二足の草鞋だった為か、あっという間に夏休みになったのを記憶しています。基本、学生は長期休暇となった瞬間に病院からこき使われます。扱いはとてもひどいものでした。しかし、これをバネに「負けてたまるか。こんなとこで終わってたまるか。」といい意味で闘争心に火をつけてくれた第三者(病院のスタッフ)がいたことには感謝しています。半分皮肉を込めてます。(笑)
しかし、夏休みに妻と2人で福岡の糸島の喫茶店に立ち寄った時です。お腹が痛くなってトイレに駆け込んだところ、真っ赤な潜血が便と共に結構な量でたのです。せっかくの休みでおいしいコーヒーを飲んでいた途中だったのですが、何か嫌な予感がして緊急でかかりつけ医に電話し、急遽大腸内視鏡検査をすることになったのです。私は医師でないのでわかりませんが、私の経験からすると、緊急での大腸内視鏡検査はとても痛みを伴います。この間も少し悪くなった時に内視鏡検査を無麻酔でしましたが、一言でいうならば「地獄絵図」です。本当です。以下に緊急での大腸検査が痛みを伴う理由を示したいと思います。
1. 腸内の準備不足
- 通常の大腸検査では下剤を使用して腸内を十分にきれいにしますが、緊急検査の場合はその時間が確保できないことがあります。
- 残った便やガスが内視鏡の進行を妨げ、痛みを感じる原因になることがあります。
2. 腸の炎症や損傷
3. 腸の構造の問題
- ポリープや腸の狭窄(狭くなった部分)があると、内視鏡がスムーズに通らず、無理に進めることで痛みが発生します。
- 過去の手術や炎症による癒着も原因になることがあります。
4. ガスの注入による膨張感
5. 鎮静剤の使用が限定的
- 緊急検査では、患者の意識を保つ必要がある場合があり、鎮静剤や鎮痛剤を使用しないことがあります。
- 意識があると検査中の不快感や痛みを強く感じやすくなります。
痛みを軽減するための工夫
- 患者の状態に合わせた配慮: 体位や検査手技の工夫で痛みを軽減できる場合があります。看護師の腕の見せどころではないでしょうか。
- 鎮痛剤の使用: 緊急時でも可能であれば痛み止めを使用することで快適さを向上できます。
- 経験豊富な医師による施術: 技術が高い医師が検査を行うことで痛みを最小限に抑えられる場合があります。技術が未熟な医師だと本当に痛い。病院選びは、慎重におこなってください。
緊急大腸内視鏡検査は無事終わったのですが、検査のあと主治医から予期せぬ言葉を聞くことになります。
「〇〇君、いいにくい話しなんだけどな。ポリープの一つに怪しいのがあるんだよ。最悪のケースも考えといたがよさそうだわ。」と見せられたポリープは貝の重なった様な、花が開いているような形のものでした。これが俗にいう大腸がんの特徴的なものらしいのです。とにかく形は歪でグロテスクという表現がしっくりとくるものです。せっかく掴んだチャンスだったのに。もし癌だったら。学校は辞めないといけない。そして学校を辞めるよりもパートナーである妻を幸せにできない。その場合は離婚してもらおうと覚悟を決めていました。
生検の検査結果が出るまでに1週間はかかるのですが、死を宣告されたも同然な私は、次の日の仕事に行くことが出来ず、悲しくて1日中家でふさぎ込んでいたのを今でも鮮明に覚えています。こうして学生になって初めての夏休みが幕を開けたのです。