地域包括病棟では、3年近くお世話になりました。
現在の所属先は介護医療院です。異動の理由は准看から正看になった方に病棟で経験を積ませる必要があるとの事で私とトレードという形になり現在に至ります。(異動が決まった時は私もとうとう左遷か。何の為にナースになったんだろう?としばらくは落ち込みました。)さて皆さんは介護医療院というとどんなイメージを持つでしょうか?以下に介護医療院について説明し、業務内容等も今後働くかもしれないあなたの為に記載しておこうと思います。
介護医療院について
介護医療院は、2024年3月に廃止になった「介護療養型医療施設」に代わる施設として2018年に新設された比較的新しい介護施設です。医療ニーズのある高齢者の生活を医療と介護で支える役割を担う施設として、全国で794施設が開設されています。
介護医療院で受けられるサービス
介護医療院では、長期療養に必要な医療ケアと介護サービスの両方が受けられるのが特徴です。以下で詳しくみていきましょう。
①介護医療院で受けられる医療ケア
喀痰吸引や経管栄養管理、人口呼吸器管理、気管切開部管理、酸素療法、輸血療法などの日常生活を送るうえで必要な医療ケアの他、症状のあわせた投薬、検査も行われます。看取りやターミナルケアを含めた高度な医療サポートが受けられます。ちなみに私が所属する医療院では人工呼吸器の方はいらっしゃいません。
②介護医療院で受けられる介護サービス
他の施設と同様に食事・入浴・排泄といった身体介護や生活支援が受けられます。さらにリハビリや健康管理など療養生活を続けるうえで必要な支援も行われます。また居室の広さは「入所者1人当たり8.0㎡以上」と定められています。多床室(相部屋)の場合でも、1部屋4人以下で家具やパーテーションによる間仕切りを設置して、プライバシーの環境に配慮した環境となっています。
③介護医療院の類型と入所条件
介護医療院には「介護医療院Ⅰ型」と「介護医療院Ⅱ型」があります。簡単に説明するとⅠ型は重篤な疾患を有する人など比較的症状の重い方が対象。Ⅱ型はそれ以外です。
同じ介護保険施設である特別養護老人ホーム(以下特養)や介護老人保健施設(以下老健)とはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの違いについていくつかの項目をあげ比較していきたいと思います。
1)施設の目的
・介護医療院:長期療養と生活の為
・特養:常時介護が受けられる生活施設
・老健:リハビリを提供し、在宅復帰・在宅支援を目指す施設
簡単に説明すると医療院は、医療行為ができる老健の様なイメージです。
2)主なサービス内容
・医療院:身体・生活介護、生活支援、医療ケア、リハ、健康管理
・特養:身体介護、生活支援、機能訓練、健康管理、レク
・老健:身体介護、生活支援、医療ケア、リハ、健康管理
3)入所条件
・医療院:要介護1以上
・特養:原則要介護3以上
・老健:要介護1以上
4)入所期間
・医療院:終身
・特養:終身
・老健・3か月ごとに継続か否か判断
5)医師・看護師・介護士の配置基準
イ)医療院
Ⅰ型:医師(48:1)、看護師(6:1)、介護士(5:1)
Ⅱ型:医師(100:1)、看護師(6:1)介護士(6:1)
ロ)特養
医師(必要数。非常勤もOK)、看護師・介護士(3:1)
ハ)老健
医師(常勤1人以上)、看護師・介護士(3:1以上、うち看護師は2/7程度)
以上から、医療院は「医学的な管理が必要な人が、終身利用できる施設」であることが分かります。高度な医療サービスが提供できる施設の為に、医師や看護師が、特養・老健よりも手厚く配置されています。
特養でも日々の健康管理は行われますが、医師は常勤でない事が多く、専門的な医療ケアが必要になると原則通院や入院が必要となります。
老健は医療院と同様に医師が常駐し、医療ケアを受けられる介護施設です。しかし、前述した目的が異なる為、長期的な利用はできない点が医療院との違いとなります。
⑤介護医療院の入所に向いている方
介護医療院は、医療ケアを必要としている方にお勧めです。医師を配置していますので医療と介護を利用できます。より高度な疾患を対象としたⅠ型は、医師の当直があり夜間も安心です。病院に併設されている事が多く、体調を崩してもすぐに病院でのケアを受ける事ができます。しかし、転倒して骨折した場合や病院に専門の科がない場合は、他院に救急搬送される場合も多いです。
⑥医療院での費用相場
医療院は入居時の費用がかかりません。月額利用の相場は10~20万円ほど。民間で運営する有料老人ホームに比べ低めの費用設定となります。費用は医療体制や設備の充実度、人員配置により変動しますので、詳細は施設に確認するとよいでしょう。
⑦私からのアドバイスとこれからについて
前述した通り医療院は病院と併設されているところがほとんどです。実際私が勤務しているところでも同じです。ここでお伝えしたい事はまず、新卒での入職はお勧めできません。なぜかというと医療行為があるといっても、一般病棟に比べその行為自体が少ないからです。なので技術的なものは身につかない可能性が高いので、初めは急性期の外科をお勧めしたいと思います。まさに虎穴に入らずんば虎子を得ずです。
次にこれは私の所属するところだけかもしれませんがバイタル測定は1日に何度もしないというものです。病棟から来た人は私を含め面を食らったはずです。観察をしっかりしていつもと違うなという時に測るようにしてます。(これは正直難しいです。経験がないといつもと違うと気づくことはできません。)このような理由からも新卒はやはりお勧めできないです。
最後に、当院での医療院の価値を私は上げたいのです。介護医療院は、どうせ介護がメインでしょ?とバカにするナースも残念ながら未だ多数存在します。実際私もそうでした。しかし、勤務するとそうでもないことがわかります。前述した通り医療行為はありますし、急変も一般より多いのでは思う事が多々あります。それなのになぜか低く見られているのです。仕事に高いも低いもないと思うのですが。どこか勘違い野郎が多いのが医療現場です。その中で特に男性として勤務していくのは難しい面もあると思います。しかし、自分はどうありたいか。どうあるべきか。
常に心にとどめておくのが大切かと思います。あとはどこの病院に所属してようがしていまいが、スタンダードは?と常に調べるようにしましょう。そこの病院のやり方や考え方は本当に正解なのかと。ただ、患者と接するなら誰でもいいわけです。正直ボランティアでもいいわけです。しかし、それで飯を食っている以上「プロ」な訳ですから、エビデンスをしっかりと持って仕事する必要があります。私も含めいつになっても挑戦することを忘れず、前向きにひたむきに努力し続けていきたいと思ってます。
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「燃えないなら火をつけろ。自分の情熱は自分で作るものだ。」
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– イチロー -
「挑戦を恐れるな。命を燃やして進むことが、本当の生きる意味だ。」
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